top of page
執筆者の写真田中 利幸

上手くいかない時

合気道の稽古において、今やろうとしていることが上手くいかない時、「何かが足りない」と考えることがあるでしょう。


そして何かが足りないのでそれを補おうとします。


「もっと遠くへ踏み込もう」とか「ここで当身を入れる動作を加えよう」とか。


より強く、より速く、より大きく、より多く・・・という発想です。


そうしてどんどんと量を増したり、動きを付け足していくとある程度の効果を感じる状態へ至るかもしれません。


その様にして取り組んだ動きは力強く勢いに乗っていて目まぐるしいものでしょう。


受けよりも取りの方が忙しそうで、逆に受けが待っていて、取りは攻めているという逆転した状況にもなり得ます。


「懸待(けんたい)」の「懸=攻め」が取りの状態を占めている様な状況です。



そこで発想を転換して


「足りないのではなく、やり過ぎていたのだ」


と気が付くと新たな稽古の段階に入ったといえます。


できるだけ弱く遅く小さく、できるだけ何もしないで、やめられる事は全部止めてしまうという発想です。


これには、やめる覚悟、変わる勇気が必要です。

閲覧数:127回0件のコメント

最新記事

すべて表示

「隙が無い」とはどういうことか

隙が無いように稽古しなさい、といわれます。 では、「隙が無い」とは具体的にどういうことでしょう? どのような状態なのでしょう? 先の事を予測してあらゆる事象に対し、対策を張り巡らせていくことでしょうか? 今から起こり得る全ての出来事に対して、完璧な選択肢を準備できれば隙が無...

ごらん世界は美しい

「ごらん世界は美しい」 この言葉は、手塚治虫さんのマンガ『ブッダ』の帯に書かれています。 この言葉の元になったのは、晩年のブッダが弟子のアーナンダに語った内容だと思われます。 その内容を要約すると、 「さまざまな場所はどこも楽しい、 この世界は美しく、人生は甘美なものだ」...

コメント


bottom of page