「以心伝心」・・・心を以て、心へ伝える
元々は禅宗の言葉で、仏法の悟りを師から弟子へ言葉を用いず伝える(伝わる)ことを表しているそうです。
私自身の合気道の稽古の過程を振り返ると次のようなことが言えます。
①まず初めは師が示す型や技等の形や順番を覚える段階があります。
②次に自らの姿形を師の姿形に似せようと師と自らを見比べて修正を繰り返す段階があります。物真似ともいえます。指先や目線、表情等も似せようとします。
③そうしてると、ある時ふと、師が稽古を行っている時の気分というものが、もしかするとこういう気分なのではないか?と自分なりに想像できる様になります。
④次第に、その気分に自らを置くことによって、姿形や技が極まる様になり、師に近づいている様な気がしてきます。ただし、それが師と同一の気分や技なのかどうかは実は何も保証がありません。
⑤いつしかその気分や技が自分のもの、自分そのものとして捉えられる様になります。このころには外から見ても個性を感じられる様になっているはずです。
⑥=①そしてまた初めに戻り、新しいものを初めて見るつもりで師の様子と向き合います。
こういった私の経験が果たして「以心伝心」と呼べるものかどうかは分かりません。
しかし、言葉による教え以外のところに、言葉にはできない大きな教えがあり、それを姿や行いを通じて伝授しているのだと感じています。
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