拵(こしら)えて、飽きて、忘れて、手抜きする
まず、分かりやすく、誰にでも取り組めて、概ね同じような結果へ至る手順を拵えます。
その手順をひとつひとつ丁寧にたどれば、誰でも同じような結果を何度も再現できるものです。
その手順を拵えたら、今度はそれを何度も何度も、集中してゆっくり丁寧に繰り返し行います。
何度も繰り返していくと、やがて飽きてきます。
飽きると、遊び始めます。少しリズムを変えてみたり、大きくしたり、小さくしたり、遊び心が芽生えます。慣れて、力みが抜けて来たころです。
それでも続けていると、自分がその手順を繰り返していたことを忘れていたことにふと気が付きます。繰り返しながら、夕食のメニューを考えたり、ぼーっと何かを眺めていたことに気が付き、我に返ります。日常生活の動作の様に無意識に動けていたということです。
このころになると、同じような結果へ至らせている手順の中に潜むその原因について感覚的に把握しています。どこの動作の、どの形が肝心なのかを直感的に解っているということです。他者の姿を一目見れば良し悪しがわかる状態で、目が利くようになっています。
そうなると、自然と手抜きができるようになります。
肝心な原因だけをぱっと捉えて行い、他の所はいい加減に流せるようになります。まるで職人の仕事の様になります。
初めの頃と比べると、その佇まいは、ゆったりとして自然で楽に見えます。
そこでもう一度、新たに手順を拵え始めます。すると、以前よりも単純で明確な手順を発見します。
稽古はその繰り返しです。
囲碁用語「手抜き」(田中による解説)
目先の局所的な攻防にとらわれて悪手を打つのではなく、一旦目を離して大局を見て、最も重要な所へ石を置くこと。




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